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罪と罰 -ラスコーリニコフを敬う-
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作詞 ヴォノ |
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例えば 人間がまだまだ進化するとして
それがバカな空想みたいなレベルだとして
いつもより暗くて、
いつもより重くて、
いつもより病的な夜に描いた
ねったりとねじれた冷笑家の瑣末な夢だとして
例えば きみの不満な心が全て聞こえるとして
ぼくの希望が無言で全てきみに伝わるとして
人間がそんな進化をしたならば
ぼくはきみを愛さないだろう
きみはぼくを愛せないだろう
そこには恋なんて物は在り得ないのでしょう
例えば 全ての国が一斉に平和を叫んだとして
犠牲としての血を見た事もない子供が育つ
人間がそんな道を辿るのなら
ぼくは新たな不満を見つけ出すだろう
子供たちは自らの管を切りつけ始めるだろう
どんな理想にも満たされないから発展するのでしょう
人を殺したぼくを
きみたちは蔑み、裁くでしょう
人を殺しまくった軍人を
きみたちは讃えて、勲章を贈るでしょう
例えば すぐに寝られていたとして
こんな愚劣な空想をしなかったとして
例えば 些細な悪を膨大な善で償えるとして
その悪ですら世界にとっては善であるとして
いつもより病的で
いつもより神経質で
いつもより疲弊しきった明け方
己の理論を疑い始めたとして
罪の意識の断片をよぎらせて
きみの自己犠牲に魅せられて
殺人者が運命の日を迎える
________その意識すらなかったとしての物語
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