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古い映画館
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作詞 くろちゃん |
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とても古い映画館は
蔦の絡まる壁と
古い柱時計の
振り子が刻む音
とても古い映画館に
白髪の老夫婦が
杖つきながらやってきた
昔を懐かしむように
とても古い映画館の
チケット売る窓口から
無口な主人が差し出す
ロードショーを二枚
とても古い映画館に
途切れ途切れ鳴るベル
カタカタと映写機が
フィルムをまわしだす
大切なものさがすために
旅を続けている
いつ見つかるかさえも
わからないまま
とても古い映画館を
出て行く後ろ姿
背中丸めて肩寄せて
暗い町に消えた
大切な人と過ごすための
まだ旅の途中
いつ終わるかなんてこと
わからないまま
とても古い映画館が
ここにあったんだと
草も生えない日陰を
指さし誰かが言う
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