|
|
|
人魚姫
|
作詞 散桜 |
|
太陽に憧れてた。私は夜しか貴方に会えない。
私もあの娘のように、海辺を散歩してみたい。
確かに海は素敵だけれど、私は、
貴方と同じ空気を吸って、同じ大地の元に生きてみたい。
願うだけなら自由でしょう?
はじめて海の中から見つけたとき、
この尾をいらないとおもった。
ただひたすらた見ているだけしかできないで、
胸の奥が締め付けられていた。
貴方と話してみたかった。側にいたかった。
……何かを犠牲にしてでも。
みんな馬鹿にするでしょう。そこまでするの?って。
この今はない足で立てるなら、踊れるなら、
どんなこともいとわない。
誰からも理解されなくていいの。
双人だけの楽園で私は貴方を愛し続ける。
ドレスに憧れてた。私に着れる服もない。
私もあの娘のように、美しく着替えてみたい。
確かに海は広いけれども、
貴方と同じ世界にいれば何万倍も広くなる。
思うだけなら勝手でしょう?
この決断を下したとき、一抹の不安を感じた。
本当にこれでよかったのか、平気なのか。
二度と家族に会えないのに。
でも、貴方との人生に全てを捧げたかった。
……全てを手放してでも。
みんな私を嫌うでしょう。悪魔に魂を売ったと。
この海で呼吸はできなくても、上でなら、
生きては行けるから。
誰からも嫌われてもいいの。
貴方を想っていけるなら、
独人見つめているの。
貴方が触れたとき、雷に打たれたように、
磁石のように貴方にくっついて
貴方の横を夢中で歩いていた。
私のことを誰も歓迎してはくれないのだろうけど、
貴方だけいればなにも要らない。
嗚呼…自然は自由、私のすべてなの。
分かってた。知ってた。
あの娘がいることなんて。
「ヨソモノ」の私になんて、愛をくれるはずもない。
みんなウワベは笑っていても、実は馬鹿にしているんだもの。
もしも私が泡になったら貴方は泣いてくれる?
誰からも泣かれずに死ぬのは怖い。
…海に戻りたいなんて、言わない。…言えない。
遺された道はあと一つ。
だれもいない、だれもないてくれない。
待っていて、私、もっともっと上に行ってみせるから。
もっともっと遠くに行ってみせるから。
|
|
|