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voyage
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作詞 散桜 |
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「旅立ち」っていうと聞こえがいいけど、
つまり貴方はいってしまうの?
また私をこの町で独人ぼっちにするの?
…酷い人ね。昨日までのこと全部忘れて
まるで夢だったって言ってるみたい。
貴方に依存してるっていうワケでもないから、
重い女とは言わせないけど。
こんな甘さ知ったら私、
貴方なしではいられなくなるって
分かってるんだから。
「もう行かなきゃ。」
名残惜しそうなフリもせず、
貴方は日の出と共に私の中から消え失せる。
「行かないで」なんて言わない…言えない。
私はせいぜい大人なフリして
貴方の「旅立ち」を見送るから。
「失踪」っていうと大事みたいだけど、
簡単にいうと消えちゃうの?
また私を取り残していくの?
…愛しい(かなしい)人ね。
そうすることで全部守って
結局傷つくのが怖いんでしょう。
貴方に溺れているつもりはないから、
別れは単純だけど、
こんな喜びを知ったらきっと、
貴方を守りたいと思ってしまうことなんて、
当たり前のことなのに。
「さよなら。」
目を背けたまま、
貴方は天国という名の迷路に逃げる。
「ここにいて。」なんて言えない…言わない。
私は貴方のことなんか知らないふりして
貴方の「失踪」を助けるから。
別れが苦手な貴方は最後までやっぱり
愛しくて(いとしくて)。
背中を向けたのに、声が震えてる貴方は
愛しくて(かなしくて)。
必死で止めようにも、地面が濡れて行く貴方は
美しくて。
でも最後に魅せた顔はとにかく
麗しくて。
この想いだけで私は、
独人生きていけると思って。
「行ってきます。」
唇から零れた科白は真実で。
ここに帰ってくると私の胸に刻んで。
「行ってらっしゃい。」
って言えた?…言わなかった?
帰ってくるのを待ってる。
ここがきっと貴方の居場所。
だから、それまで行ってらっしゃい。
……ほら、笑顔で言えた。
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