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砂の城
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作詞 散桜 |
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嗚呼…今日もまた大きくなる私の世界。
遥か、空へと聳え立つ。私のモノクロの世界。
私の周りは広がって、私のなかは狭くなる。
もう呼吸もできないほどに。
助けてよ。窒息してしまう。
…そんなことないよ?
…そんなこと見えないよ?……なんて、
絶対言えるはずもないことを心のなかで呟いて、
外面の顔は営業中。
年中無休365日24時間スマイル♪を提供しているんです。
でも、これが私の世界なんだもの。
嘘で塗り固められた…まるで、まるで砂の城。
私がコツコツ作り上げた世界は、
私の理想通りすぎて仮想・妄想。
いっそくずしてしまえたら。
砂が飛び散ってしまえば。
私を救う大きな波がなにもかも飲み込んでくれれば。
……いいのに。
嗚呼…今日もまた重くなって行く私の心。
鉛のように鉄のように冷えた心。
私の周りは楽園で、私の中は地獄。
もう生きた心地がしないくらい。
助けてよ。死んでしまう。
…そんなことありえない。
…そんなことないっ!
……なんて、
おもってもみないことにつっこんで、
外面の態度は温かく。
みんなの冷えた心を暖かく♪しようとしているんです。
だって、仕方ないじゃないですかっ!
必死になって作り続けた。まるで、まるで砂の城。
私が少しずつ積もらせると、
めちゃくちゃの事実と相反。
いっそ泣いてしまえたら。
いっそ叫んでしまえたら。
自分の涙で砂が全部全部溶けてしまったら
……いいのに。
みんなの心は晴れても、私の心は雨。
次は何を作ろうか?どんな世界にしてみようか?
体裁取り繕って、ボロが出ないように
必死に必死に。でも空回りして。
悪夢のような一日が過ぎても
やはり朝が来てしまって、
偽りの世界に逆戻り。
いっそ、砂が飲み込んでくれたらいいのに。
泣きながら作り続ける。まるで…まるで砂の城。
どこが現実でどこが仮想なの?
……もう分かんないよ。
叫びながらも手は止まらない。
着々と出来上がる砂の城。
……いっそもっと大きくなってしまえ。
………いっそいっそ、
みんなの世界も飲み込んでしまえたら…いいのに。
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