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白い羽のお話
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川の辺(ほとり)の砂利の上でのある日のことです
空へと駆けるたくさんの白い羽が 遠く遠く過ぎて行きました
力いっぱい今を生きているのに 見えてこないものもあってね
風の音 虫の声さえも 走るためにはちょっと重すぎて
「自由にこの世界を知ってみたい」そう思っても声は届かず
こだまするこの胸の侘しさで 私の思いがかすんで行きました
省みらずこの道を歩いているのに 辿り着けない時もあってね
雲の流れ 空の景色 まだ早いかな ちゃんとやってみるか
リンゴのように甘くはなくて 神様みたいに優しくなくて
それでも雲は流れて行くから それから私に羽があるから
夏至の夜中の空の下でのある出来事です
暗闇浮かぶ数多(あまた)の恒星が 何度も何度も流れて行きました
精一杯の願いを込めて 「どうかきっと飛べますように」
巡ってきた明くる朝やっぱりね 昨日と一緒ちっとも飛べなくて
「奇跡なんて端(はな)からないんだ」と 分かりきってた理屈なんだと
そんなものにすがりついてた私はね 奇跡=努力なんだと知りました
省みなかったこの道を省みてみると 節穴、落とし穴、穴ばっかで
花から落ちた花びらも 飾ることなくただ散っていくのに
リンゴのように実はならなくて 神様みたいに後光はなくて
それでも風に吹かれているから それなら私は羽ばたけるから
父母からもらった三寸の魂 一寸の虫にも五分の魂
生きるも腐るも 胸一つ
人は何かを習って初めて気づくんだ
自分「独り」じゃ何もできないほどちっぽけなんだと
神様になるリンゴはなくて 来世でもきっと私は私で
それでも道は1つじゃないから それでも道は在り続けるから
そんな白い羽のお話です
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