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「死にたい」と思っている人へ
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作詞 奏夢 |
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「私ね、死にたいんだ」
突然誰かが言った
本当に死にたいって思うなら、
近場にある大きな病院に行ってごらん
そこで苦しんでいる人の姿を見てごらん
その苦しんでいる人の親が泣いている姿を見てごらん
私のお爺ちゃんはね
生きたいのに死んじゃったの
私の未来の旦那さんも子供も私が大人になった姿も見ずに
病気になって死んじゃったの
私が病院に行く度に
お爺ちゃんは日に日に弱っていって
すごく辛そうだった
それを見てるお婆ちゃんもお母さんも
みんな辛そうだった
お爺ちゃんのいる前ではみんな笑顔だったけど
家に帰ってからみんな泣いてた
涙を流していたのを見たわけじゃなくて
みんなの心が泣いてたの
お爺ちゃんがいなくなった日
私はお母さんに
「私の習い事のせいでお爺ちゃんと
長く一緒にいさせてあげられなくてごめんね」
って泣きながら謝った
それを聞いたお母さんは私を抱きしめて
首を横に振りながら泣いてた
お婆ちゃんはお爺ちゃんの姿を見て倒れながら泣いてた
今まで涙を見せたことがなかったお父さんも
いつも気にしていないふりをしてたお兄ちゃんも
みんなみんな泣いてた
でもね
お爺ちゃんは優しい人だから
誰かがかかるはずだったあの病気を
その誰かの代わりにお爺ちゃんがかかって死んじゃったんだって
だからね、お爺ちゃんはその誰かの命を救ったんだって
「お爺ちゃんは、最後まですごく優しい人だったんだね」って
看護婦さんが教えてくれたんだ
だから死にたいと思ったときは
大きな病院に行って
「生きたい」と思っている人と会ってごらん
死の恐ろしさと、生の素晴らしさが分かるから
それでも分からなかったら
あなたの大切な人が死んじゃったことを想像してみて
あなたが感じるその悲しみの分だけ、
あなたのことを大切だと思う人が悲しむんだってことを想像してみて
きっと生は素晴らしいものだって
死は恐ろしいものだって分かるから
それでもあなたの考えが変わらないのなら私は止めないよ
でも最後の最後までそのことを想像してみて
それから考えたって遅くないよ
あなたに時間はまだたくさんあるんだから
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