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人魚と船乗り
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作詞 小国 和歌波(FaNCy) |
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生きているのか 死んでいるのか わからない 真っ白な世界に
僕は迷いこんだ ぼんやりとした視界で 一瞬だけ はっきりと見えた
心配そうな 不思議そうな顔で 僕の顔を覗きこんでいる
この世界では 初めて知る女性だ 男を知らないのだろうか
彼女は 僕の船に よく手を振り 投げキスをしてきた
誰にも気付かれないように 彼女に会った
言葉は通じない でも 彼女は 毎回違う歌を僕に聴かせてくれた
彼女の世界が気になり 船から 海へ飛び込んだ
海の底へ潜って見上げると 空が青く海が綺麗なことを知る
地上からでは 知らない世界が 目の前に広がっている
小さな魚達と楽しく会話する彼女 ずっと 此処に居たいけど
僕は 此処には いられない 彼女の声は きっと心と似ているのだろう
でも 人間の僕には 言葉は伝わらない
人魚になりたいよ 不可能だけど
"それでも 君のこと もっと知りたいんだ"
彼女に言った 僕の言葉は 泡になる
だけど 息ができない僕の口に彼女は すぐに息を吹きかけて
僕の世界に 届けてくれた 僕の腕には 海の色のブレスレットがつけてあった
外して見ると 僕の世界の言葉で "愛しています"と 裏に字が彫ってあった
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