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短い夢
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作詞 あーこ |
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春の日
ほっぺにキスをしてくれた
その一瞬の私の笑みといったら
もうね。
顔ぜんぶくしゃくしゃにして
俯いて
溢れ出る愛しさを感じていたよ
こんな幸せの欠片が積み重なって
二人色の”積み木のお城”
果てなく高く
果てなく広く
崩れる事なんてないから
風が吹こうが セメントで固めたりしないよ
壊れる事なんてないから
雨が降ろうが シートで覆ったりしないよ
そうして
いつの間にか空に届きそうになった頃
それはやってきた
地上は遥か遠く
ぐらついた足元に 一瞬の涙
崩れ行くお城に埋もれながら
思い浮かべていた日々
ああしていれば
こうしていれば
”この今”は訪れなかったのかな
人を好きになる幸せを初めて教えてくれた
でもありがとうなんて言えない
たくさんの傷も癒えない
それでもあなたはここには居えない
そこにずっと住んでいた私達は お城の全景を見ることはなかった
もしかしたら
ものすごくバランスの悪いものだったのかもしれない
ものすごくデザインも悪かったかもしれない
それでも「幸せ」だと言い切れた
あなたと一緒なら その時間全てが大切だった
たまたま見つけた石でさえも 綺麗に思えた
ねぇ
あれは夢じゃなかったよね
だから今も胸が痛いんだよね
問いかける声全部
自分に返ってきて
虚しくて泣き崩れた
季節はまだ春だった。
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