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新しい物語
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作詞 TOTO |
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新しく買った古い本
表紙を見てあの頃を思い出す
まだ一人で眠るのが怖くて
それを察して
安心して眠れるようにと
あなたが読んでくれたこの本
読み終わるといつも
「男の子は女の子を守るもんさ」
と口癖のように言っていたのを覚えています
今でもまだ心のしおりをはさんだままさ
懐かしきこの本のストーリーは
勇敢な少年が
町を襲ってきた大きな怪獣を追い払うお話
主人公が単純にカッコよく見えて
続きが気になって 眠れなくたってしまった僕に
あなたは「今日はここまで!」と寝かしつける
そんな幼き頃の記憶が甦る
いつだってカッコいい奴は
皆のヒーローでお人好し
そんな姿に憧れて
近所の仲間とごっこ遊びをしたりして
その姿に近づくの
大人になると忘れてしまう
無邪気で純粋な気持ち
久しぶりにこの本を読んでみる
主人公は勇敢な少年だと思っていたのに
怪獣が襲ってきた時
自分が傷つかないようにと
誰よりも先に逃げ出していた
傷ついていく者たちを犠牲にして
小石につまづいて
後ろを振り返るとすぐ傍に
大きな怪獣が
大きな口を広げている
襲われかけたその時
彼と一緒に 表紙に写っていた女の子が
変わり身となり少年を助けたんだ
自分の弱さに気付いた彼は
武器も持たずに怪獣を倒してしまうというお話でした
どんなに下手れでも勇敢を手にすることができる
そんな少年を描いた物語
いつだってカッコいい奴は
皆のヒーローでお人好し
その裏側では
自分の弱さを受けとめている
今はもう誰かに守られていたあの頃じゃなく
誰かを守らなくちゃいけない
あなたのように
こんな僕にも息子が生まれました
だからこの本を手に取ってこう伝えるのさ
「男の子は女の子を守るもんさ」って
そして
「新しい物語は自分の足で造り上げていくのさ」って
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