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とまれ
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作詞 こののこ |
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『助かりました、ありがとう。』
真っ赤な信号渡ろうとしていたキミ。
思わず手を引き、止めたボク。
キミが渡るはずだった道をトラックが駆け抜ける。
キミは笑顔でお礼を言った。白い杖を持ちながら。
でもね、ボクは知っている。その笑顔の中の苦痛。
キミは、毎日ここへ来る。
毎日真っ赤な信号を渡ろうとする。
ボクは、毎日キミを止める。
キミは、毎日ボクにお礼を言う。まだ真新しい白い杖を持ちながら。
雨の日も、風の日も、誰もいない深夜にも。
キミは、ここへ来る。
真っ赤な信号を渡ろうと、する。
キミは、死にたいのかぃ?
ボクは、逝きたいのに。
ねぇ、キミは、死にたいのかぃ?
ボクは、生きたいのに。
ねぇ、まだ苦しむのかぃ?
ボクは、苦しんではいないのに。
ねぇ。
ねぇ。
キミは、またここへ来る。
真っ赤な信号を渡りたくて。あの日みたいに。
真新しい白い杖を持ちながら…
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