|
|
|
廻る週間
|
作詞 逝蝣(ゆゆ) |
|
暗闇と濃霧がレンガの細道を優しく包んだ日曜日
老婆は動けない身を嘆きながら空虚を見つめていた
黒猫と黒い鴉が呉服屋のショーウィンドーを横切った月曜日
手の美しい御嬢さんが指に針を刺して血を流した
薔薇と血液が舞った誘惑の舞踏会で踊った火曜日
靴を失くしたシンデレラが荊の道を逃げ歩けなくなった
蓄音機とオルゴールを集めていた少年が悪夢を見た水曜日
美しい音色の中に交じり合う死と狂気が幼い少年を狂わせた
老婆の魔女と幼女の占い師が真夜中の密会を開いた木曜日
魔女の運命は「死神」魔女は占い師のナイフで引き裂かれた
真実の道化師と偽りの宣教師が真実を叫び殺あった金曜日
厚化粧も聖書も意味など無く「神」は偽り「秘密」は真実だった
夜中の貴族が招かれ小規模な晩餐会を開いていた土曜日
毒薬が溶けたワインを飲んだ夜の住人は死ぬ訳も無く事実を知った
太陽が朝霧に透けて輝いていた日曜日
全ての記憶は日の光と共に葬られていった
|
|
|