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椛
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作詞 ほつま |
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窓の外いつまでも降り止まぬ
秋雨の中巡る想いの
散るは儚く
舞は漫ろに
貴女が振り返った
新しく身に纏うセピア色が
羽衣に似て清らかでした
すっと目に入れても
痛まない程の日々でした
秋を抱き締めた
貴女を見ていた
写すのさえ憚られて
細い腕(かいな)から
浅い秋の欠片ひとつ手に取った
時が流れると
色さえ褪せると
まだ知らない坊やのまんま
涙に打たれて織り重なる
秋をずっと見ているんだ
散る間際の色ほど鮮やかに
記憶を焦がし焼け付いて
目蓋の裏に棲みついてしまった
秋色が離れやしない
ひとひらが秋風に落ちきれば
想いは何処へ往くのでしょうか
細い下枝(しずえ)が貴女を見せて
時を止めました
別れさえ誰かの所為にすれば
この秋雨は止むのでしょうか
咲かぬまま散った
まるで椛のような想い
秋を抱き締めた
貴女を浮かべた
水べりに漂って遊んで
秘めやかな熱が奪われては
燃えるように沈んでいく
ふたりで歩いた幸せ数えて
両の指じゃ足りなくなって
またひとつふたつ落ちていった
秋をずっと見ているんだ
秋を抱き締めた
貴女を見つけた
写すこともかなわなかった
憂いと惑いの
浅い秋の欠片ひとつ手に取った
時が流れると
色さえ褪せると
まだ知らない坊やのまんま
涙に打たれて織り重なる
秋をずっと見ているんだ
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