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トモダチ
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作詞 桜井 萌奈 |
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”最近綺麗になったね”
思ってやしないけれど一応おだてておく
”そうかな…?”
なんだいそんな顔して
せっかくお世辞言ってあげたのに
どうせまたアイツになんか言われたんだろう?
その度にボクのことこうやって利用して
ボクに会う事でキミの気は紛れるかい?
こっちの気も知らずに
首都高を走り抜けてゆく
カーラジオからはどうでもいいBGM
キミは窓の外ばっかり見ていて
ボクからは溜息がこぼれた
ねぇボクらって一緒にいる意味ないよね
もう疲れてしまったんだ
可哀相なキミのわがままも聞けないくらい
ボクは自分のことで精一杯なんだ
かれこれ3時間は走り続けている
どこまで行ったら気が済むんだろう
本当に明日が日曜で良かった…
”もし今日が日曜日だったら、ボクはこのハンドルをひねるかも”
左側に90°
車は海に落ちてザ・エンド
キミは窓の外を見ながら言った
”いいよ、もう何もかも捨ててしまいたい…”
ボクは低く笑った
なにかを嘲笑うかのように
”キミが良くてもボクはイヤだ
まだまだこれからも生きていたい
そしていい人に出会って、結婚して、子供が出来て、それで孫が出来て…
とにかくこれから素晴らしい未来が待っているんだから”
キミは一点を見つめながら
”そうね”とだけ呟いた
そんな暗い顔されたら
こっちまでマイナス思考になってしまうじゃないか
早く嫌なことは忘れて
新しく心機一転したらいいのに
”私って生きてる意味、ないのかな…”
あまりにもキミが死んでしまいそうだったから
ボクはそっと手を握った
こんなもんじゃキミの気持ちを変えてやれないけれど
冷えていたキミの手はボクの熱で
そっと、温まった
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