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通り雨
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作詞 霜原葵依 |
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静かな夜の一角で
夜空を眺めてみる
雲に覆われた空を見て
「明日はきっと」と願い込める
カーテンの先 漆黒の闇
ネオンの光 あるわけもなく
遠くの方で車が走ってる
小さな明かり 蛍のように
俄かに降り出した雨
さっと勢い強くなった
“きっと通り雨だよ”って
見えない誰かが言った
きっとそれは心の中の僕
もう一人の優しい僕
翌朝雨上がりの庭で
濡れた草を見つめる
草は恥ずかしかったのか
微かにその身を揺らしてた
塀の向こう 新緑の木々
山や丘というわけでもなく
足元を蟻が通ってく
江戸を目指す殿様みたい
昨日と違っている今日は
日常に新しさをくれる
“雲ひとつ無くて良いね”って
見えない誰かが言った
僕は「そうだね」って呟いた
もう一人の僕へ向けて
青からオレンジへと変わっていく
やがて黒に染まっていく
めまぐるしく変わっていくけれど
僕は今この時を生きている
また振り出してきた雨が
すっと勢い強くなった
“また通り雨だから”って
後ろで誰かが言ってきた
僕はゆっくり頷いた
これは通り雨なんだね
すぐに上がってしまうよね
カーテン越しに外を見る
「ねえ、もう一人の僕、
キミも、そう思うでしょう?」
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