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鋏と蝶
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作詞 湊 慈雨 |
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蛍光灯を浴びて
鈍い色で光る鋏
握った右手の延長線
今ならすべてを切り裂ける
置き去りにされたこどものよな
冷たい感情に囲まれて
目を閉じて鋏を振り回す
何も解決はしないけれど
羽ばたく姿は蝶なのに
紅く染まって動けない
焔に焼かれた蝶には遠く
私はひとり またひとり
リノリウムに突き立てて
片翼をなくした鋏
脆い心の延長線
それでもすべてを切り裂ける
氷を愛したら燃える火が
溶かして壊しておしまい
目を閉じて膝を抱える
何も解決はしないけれど
羽ばたく姿は蝶なのに
寒さに凍えて動けない
水を求める蝶のように
私はひらり またひらり
鋏と蝶の共通点
私はひとり またひとり
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