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喜べない世界
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作詞 虹琴 |
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ある日少年の元に 一通の手紙が届いた
愛し合う異郷の少女の 死が記されていた
彼女は健気に生きていたのに 二人暮らすこの世界は
一つ一つと数多(あまた)の希望たちを 冷淡に殺(あや)める
遠くても恋い慕い合えているという ささやかな喜びさえもが
許されぬ世界の造物主に 情など求むるは恥
同じ頃に 少女にも偽りの悲報が届き
涙枯れることも無く 夜を越えた慟哭(どうこく)
世の中に光が無さすぎて 人は罪さえ犯さない
だが そんな事態を真(まこと)の平和だと 嘯(うそぶ)けるだろうか?
喜べない世界で暮らす為に 必要なそれなりの覚悟を
持たずに甘んじた人に手向ける 花は香りを失う
遂に二人は命を絶ち あの世で再び出会った
久方振りに愛の素晴らしさに 触れられたけれど
喜べない世界に遺された 両親や兄弟・友人などの
彼らを愛した全ての人が 立ち直れない程の傷を負った
"Can you imagine what it's like to be in that delightless world?"--
"Maybe I should say it's beyond our understanding."
言葉や性別を越えた憂いが 喜べない世界を包む
花は香りを失う
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