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砂時計
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作詞 ぴのき |
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口元が軋む、早口な傍観者 聞取るには足りない距離
差出す希望は 密か? 罠か? 戸惑う心 今にも蕩け
身体に染み込んでいく痛みに眉間に皺を寄せ
どうせ 愛されない身なら
諦めきれない ヒトヒラの命 頭蓋に叩き込んだ子の肉声
微笑ましささえ 忘れてしまった 悲しき瞳 笑い踏み躙る
剥がれたトマトを齧り 下半身に突き刺す
産み落とす声を紡ぐ事の破棄 吐き気を催す…
恋や懐かしさや ソレさえ全てを忘れた
果汁が溢れ出し 粒に悲劇が映る
裸体に晒されて滴る 萎む肉体
ロマンスを天秤の上 お前が生きる理由は間違ってる
自分に言い聞かせ弱さの正当化 許されない罪
周りに傷を付け 満たすのは渇いた喉
深く 潜む 曖昧で 褪めた愛
ロマンチストだった頃の 無口な夜の星さえ
見えなくなって 箱庭の中で
ヤキモチ妬く老婆
瞬く 路頭に迷い 愛さえ忘れた
何処から 何時から 狂い始めた砂時計
盥回しにされた 拒絶が産んだ悲しみ
それは幾度と前の出来事 逃げ出したいなら
本音も言えない華奢な蟲
見え透いた未来に立ち尽すその悲しき瞳が泣いている
此処以外では まだ生きることは出来ない
暗い海の様な夜に錨を降ろして せめて今が終わらないように
恐い夢の始まり それは昔話のような昨日から
絵空事 気づいてないだろう?
今朝も愛飢えた子らが泣き止まない
瞬く 路頭に迷い 愛さえ忘れた
何処から 何時から 狂い始めた砂時計
死にながら生きる命よ 敬い悲鳴を上げろ
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