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夏と病室
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作詞 条峙 |
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もうすぐ夏が来ます いつか君と出会った季節が
巡り来るまでは 会えたらいいな、と思います
ありふれた出会い ありふれた恋 ささやかな幸せ
人並みの幸せを望んでいた二人を 悪魔は選んだ
消毒が行き渡った衛生的すぎる部屋
酸素ボンベで覆われた顔が僕を見て少し笑った
君の好きなフルーツタルト 食べれなくても買ってきたよ
毎晩3時まで起きてやっと作り上げた千羽鶴
木々につるしたカラフルをベッドの横に飾った
もうすぐ夏が来ます いつか君と遊び疲れた日付が
巡り来るまでは 笑えてたらいいな、と思います
ありふれた出会い ありふれた恋 ささやかな幸せ
頷くだけの君でもいいさ思い出を 幸せをなぞろう
この前よりもまた陰ができた君の表情
細すぎる手を見て息を飲む僕に君の目が少し潤んだ
備え付けのスケッチブック 君は広げて僕に見せた
いつか実家の裏庭で摘み続けた向日葵
薄いクレヨンで描かれていた幸せな夏
車を飛ばして故郷へ向かう 早く、もっと早く!
医者が余命を告げたときに「信じられないね」って
薄く笑った君を どうしても助けたくて―
裏庭に咲く夏を知らせる花畑 思えば君と出会ったのもこの季節
まだ小さな向日葵を摘みながら 気づけば涙がとめどなく溢れてた
君と会えてホントに良かった 助手席で向日葵が揺れる
いつかの夏はまた巡って誰かの思い出になる
そこに僕らの笑顔も確かに刻まれてる
夏の始めになりました 平凡には戻れないけど
君との日々は ずっと僕の中で育っていくのでしょう
たとえそこにもう君がいないとしても―
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