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歩いて帰ろう
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作詞 条峙 |
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君の左手には三日分の食事の材料入りのエコバック
僕の右手には半額になった嗜好品入りのレジ袋
ちょっと重いけど歩いて帰ろう
あからさまに嫌そうな顔した君を軽い言葉であやして
矢継ぎ早に飛び出したネガティブな言葉もいなして
とにかく今日は歩いて帰ろう
駅二つ分の距離、それがとても疲れると君は言う
けれどこの道は君が思うよりもバラエティに富んでるから
遊具のない公園で見つけた春を知らせるつくしの群れ
胞子で増えるって知ってた?筆に似てるから「土筆」なんだよ
仏頂面がだんだんと解けていく
夕焼けが染める公園で缶蹴りをして遊ぶ子供達
その様子を言葉もなく眺める君の目は輝いてた
「ほら良かっただろ?」心で呟いた
駅二つ分の距離、そこに小さなドラマが隠れてる
電車の窓からの風景とは違った良さがあるものさ
「もう歩けない」嘘だと分かる弱音を吐きながら
肩の上に乗せようとした君の頭 けれど肩の横にごっつんこ
ここはソファーの上じゃないんだよ、と
目を丸くする君に言ってやった
頭一つ分背が違うことも隣で歩かなきゃ分からない
駅二つ分の距離、それがとても疲れると君は言う
けれどこの道をいつか思い出して幸せを増やせるから
駅二つ分の距離、そこに小さなドラマが溢れてる
手を繋いで着いた我が家 一緒に「ただいま」を言おう
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