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喜ぶ顔が見たいから
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作詞 条峙 |
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「来月になったら時給を100円上げてやるよ」って上司に言われて
頭を深々と下げてお礼を言った 後ろで同僚が笑ってた
「お前が給料上げてもらえるわけないだろ」って同期に言われて
またいつもの揶揄かと胸を暗くした 夜風がやけに冷たかった
今日も精一杯頑張ったけど 要領悪くて怒鳴られたよ
襟を立てて線路沿いを歩いた 親に会わせる顔を探していた
「お前のこと嫌いだからすぐ辞めさせてやるよ」って上司に言われて
涙ながらに情に訴え続けた 感情の無い目で笑ってた
「辞めさせられたくないんなら土下座してみな」ってそのまま言われて
トイレの前だったけど土下座した 隣でOLが笑ってた
今日も精一杯頑張ってるけど 相変わらず上手くいかないよ
休憩所から悪口が聞こえてきた 独り唇を噛み続けていた
ボロボロの心を引き連れて家の扉を開けると、疲れを労う親の声
雲梯から落っこちて危篤状態になった時 目を腫らして
一日中神様にどうか生きてますようにと祈ってくれた母
何度練習しても自転車に乗れずにいた僕を見捨てず
ようやく乗れるようになったら回転寿司に連れていってくれた父
二人の喜ぶ顔が見たいから 明日も僕は笑顔で出勤するよ
誰かの靴を舐め続けるような惨めがずっと続いても
僕が回転寿司に連れていった時 涙を流して喜んでくれた
親の喜ぶ顔がもっと、もっと見たいから
独りで全社員の車の美化
独りで全フロアのトイレ掃除
そんな仕事も精一杯やり遂げるよ
どれだけ、クズ扱いされたって 喜ぶ顔が見たいから
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