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ハウスワーク
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作詞 条峙 |
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「すぐに帰ってくるさ」と心の中で唱えてから早一週間
朝七時に起きた日曜日、それでもまた会社に
遅刻してしまうんじゃないかと恐れてる自分がいた
昨日の夜格闘した炊飯器の蓋を開けると
水の分量が多すぎてふにゃふにゃになった御飯
出来合わせのもので済ませようとする朝食も
君の作った朝食と比べてしまってなかなか進まない
回し終わった乾燥機を開けると男物ばかりの衣服達
乱雑にタンスの中にしまった後でいつもを
思い出して慣れない手つきで服を畳んでいった
愚痴も弱音も吐かずに全ての家事をこなしてくれた
君の横顔を思い浮かべては罪悪感でいっぱいになる
当たり前のように家事をすることの苦労を
知らずに厳しい言葉を投げつけてた自分が憎くて仕方ない
さっきかけたはずの電話番号にまたかけようとしてる
メアドも変えられた 着信拒否もされた それでも
縋り付く宛が此処しかないからまた期待を賭けてしまう
そうして聞こえてくる耳慣れた無機質な声
洗剤の探索に30分かけて取り組んだ風呂掃除
こんなことさえしてあげられなかったな たくさん苦労をかけたな
頬がいつの間にか濡れてるのは充満した
水蒸気のせいかな?まあそういうことにしておこう
呼吸がこんなに苦しいのも充満した
水蒸気のせいかな?まあそういうことに今はしておこう
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