|
|
|
放課後、不意打ち事件
|
作詞 条峙 |
|
六時過ぎ暮れるのが早くなった空 部室から一抜けて約束を守りに行く
教室で一人待っていた君と とりとめのない会話して帰るつもりだった
振り向いた君の顔はどこか固くて 軽い呼びかけにも答えようとしない
「何かあった?」近づいて掛けた声は 君が抱き着いてきて逃げていった
胴体を貫く温もり ぐらつく体と理性
状況把握不能な頭 え、ちょっと何これ?
消え入りそうな声で君が呟いた「帰りたくない…」
いや、ここ学校! 今日火曜日! どうするよ俺?
デートの行き先さえ決めたことのない 君が見せた初めてのサプライズ
逡巡を持て余してる一方で 両手をちゃっかり君の背中に回してる
俺の胸元にくっついてる頭を 撫でたら切ない表情が顔を出した
かわいくて思わず目を背ける 至近距離の上目遣いとかもはや反則
どんどん強くなる温もり 流されそうになる理性
思考停止しそうな頭 え、てかなんだこれ?
結局どうしたいのか君に訊いてみた「このままがいい…」
いや、ここ学校! 外真っ暗! どうするよ俺?
妙に響くヒーターの音 蛍光灯の光を
反射する君の髪は少し茶色がかってる
混じりっけのない黒髪だと思ってたのに
俺は君のことを知っているようで
全然知らなかったってことに気づく
もうなるようになるかって思ったその時「もういいや、帰ろう」
いや、さっきの言葉! 信じたんだけど! 拍子抜けの俺
放課後、不意打ち事件で俺は心理的に大ダメージ
だーくそ いつかリベンジしてやる
|
|
|