|
|
|
マドラサと柿の木
|
作詞 のぶ |
|
世界を見るのはふたつの目
世界を聞くのはふたつの耳
世界を切り開くふたつの手
世界を進むのはふたつの足
全能な誰かが作った体を持った
僕らは今を生きているのに
不思議だな なぜだろう
大切な人を見て胸が痛むのは
唇が言葉を紡ぎ
鼻が君の匂いを捕まえて
頭が予感をよぎらせて
なぜだろう 心だけ痛むのは
なぜだろう 乾いた空気のなかに
命を感じられるのは
なぜだろう 宇宙の光のなかに
つたない自分の面影があるのは
なぜだろう 小さな世界のなかに
君の姿がないのは
どこかにいる全能なあなたよ
あなたは自分を一般人にできるか
この世のパトリオットとして
全能を捨てられるのか
そうすれば あなたは全能なのか
そんなあなたは誰なのか 何を作り壊すのか
君を待つのはふたつの目
君を聞くのはふたつの耳
君を抱くのはふたつの手
君と歩くのはふたつの足
海の向こうに何があるのかな
僕の目ではよく見えないや
頭のなかなら知らないサマルカンドの
路地裏のスークまで分かるのに
唇が君をつかみ
鼻がステップの砂を吸い込み
君のありかを探し続けて
痛み続ける心 羅針盤にしながら
なぜだろう 体のなかに
熱い君の血が流れているのは
なぜだろう 時間のなかに
未来がうっすら見えるのは
なぜだろう 永遠のなかに
可憐な花が咲き続けるのは
どこかにいる全能なあなたよ
あなたは時をもたどれるのか
なにも知らないころの世界を
愛でいっぱいに満たせないのか
痛む心 治してはくれないか そしたら
そんなあなたを捕まえる 両手でしっかり
捕まえる 三日月に照らされた街角で
|
|
|