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オトシモノ
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作詞 alto |
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とある雨の日の夜
雲なんか無いのに土砂降りで
でも星が綺麗に見えちゃったりして
なんだか楽しくなった俺は
傘をクルクル回しながら水たまりに足を突っ込む
濡れるなんてお構いなしにどんどん踏み込んでいく
ふと草むらに目をやると
鍵のついた鎖やなんやで雁字搦めになった小さな箱を見つけた
箱の上には汚い字で
"Don'T oPEn !"
と書いてあった
開けるなと言われれば開けたいワケで
それって人間普通じゃない?
タブーの法則って魅力的
見つけちゃったら最後だろ?
持ち帰った小さな箱
どうやっても開けられない
一体何が入っているんだよ?
そんなに大事なら落とすなよ
そうこうしている内に睡魔に襲われて
明け方ベットにダイビング
起きたらまた夜で
どうしようもなくて箱と向き合ってみた
お前は一体どうして欲しいんだ?
答えてくれやしないのに問いかける
ため息ついて
箱をじっくり眺めて
俺は初めて気付いたんだよ
箱の底に描かれた汚い絵
それは確かに俺が描いた絵だったってこと
何と無く懐かしくて指で絵をなぞる
箱が小さく呻いた気がした
鍵が鎖が箱を縛っていたもの全てが崩れ落ちる
まるで"開けて"と言うように
今までちっとも開かなかったパンドラの箱
やっと触れられる禁忌
まるで禁断の果実を齧ったアダムとイヴや
禁忌の箱を開けたパンドラのような心地
俺が開けた箱の中
そこには災いや悲しみとかそんなものはなく
青い林檎をかたどった
消したはずの俺の"夢"が入っていた
何だか何処かの神話が混ざったよう
諦めて消してしまった"夢"が
俺のもとへ戻ってきた
なんだ結局俺は諦めきれなかったのか…
あの日からずっと"夢"のままでいた
きっと捨てられはしないんだな
捨てるものじゃないんだ…
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