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一人称交換日記
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作詞 ハンバーグ |
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拝啓、尊敬する過去の私へ
私は知らぬ間に大人になっていました。
タイミングは分りませんでした。 人生の道を歩いて、ふと後ろを振り返ると大人の足跡でした。 何時からと思い、遠くを見ても見渡せる限りの轍は大人でした。
貴方はまだ子供ですか?。
拝啓、まだ見えぬ未来の私へ
私はまだ子供です。 しかし、子供だという自覚はありません。
私の足跡は大人です。 しかし轍は子供です。 子供と大人の狭間です。
未来の日々に不安を募らせています。 そちらの世界での私は幸せですか?
拝啓、敬愛する過去の私へ
こちらの世の中に幸福はありません。 こちら幸福の種類が増えて何が自分にとっての幸福かが解らなくなっています。 幸せなんて死語ですよ。
幸せなんて口に出したら笑われます。
拝啓、自暴自棄な未来の私へ
そうですか、それは残念です。 何が残念かって笑われる事を恐れて何も出来ない自分になるという事に残念です。 何時からですか、恥じらいを持ったのは?
拝啓、無邪気な過去の私へ
それは丁度、大人になった時だと思います。 急に怯えだしたんです。
私の命は自分のモノではなく、社会の一部だと気づいた時でした。
拝啓、矛盾を語る大人になった未来の私へ
大人になった瞬間を知ってるってことじゃないですか?
拝啓、単純な過去の私へ
明確には解りません。 大人なんて定義は曖昧なんです。
平気な顔して嘘をついたり、泣くことを我慢したり、愛想笑いが出来るようになる。それが大人っていうモノなのかもしれません。
拝啓、憔悴な未来の私へ
なら、今の私は大人です。 子供の皮を被った大人です。
拝啓、大人の過去の私へ
そうですか。 それは残念です。 日記を送る時代を間違えました。
もう何年前にいけば子供の私に出会えますか?
拝啓、何も解ってない未来の私へ
それは難しい話です。 私はより前なんて無いです。
私はこれから誕生するんですから。
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