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いたちごっこ
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作詞 游希 |
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あの日もこんな寒い日だった
雪積もる並木道を
ひたすら走る君を見つけた
つまづかないように足を大きく振り上げて
雪を空に散らしながら
ひたすら進む君に呼びかけた
振り返らずに離れてく
知らぬ間に離れて行く
心も君も
周りの目なんか気にせずに老いかけた
走り続ける心に触れたくて
二人の距離を離してく
雪と心と並木道
ただひたすらに追いかける
脚は止まらず一人を追いかける
脈打つ心臓を止まらないで
君に追いつくまで
夢のような
冬に出会った
雪のように儚い
君を見つけた
離れて近づいて
心を掴むいたちごっこ
初めてだった
柔らかな風を痛いと感じたのは
追いかけて数時間
近づく背中
自然に口が開いてくる
息も上がってきた
そしてまた離れて行った
凍える寒さに
肩が震える
それでも止まれない
一度乗ったレールを
一体何周しただろう
二度と会えない君に
何度泣かされただろう
心を離す心
道標を残す足跡
変わらぬ距離と
変わり出した歩調
ようやく気づき出した
呼びかける事も精一杯な僕の声を
拾い上げて包み込んだ
それをまとめて背負いながら走る背中には
羽が
力が
愛が
翼となって風を裂く
いつかは力尽き
倒れる瞬間
翼が生えた
体は止まったまま
君に追いついた
肩を抱き
声に出さない愛を
心で伝え出した心に
キスをするよ
変わらぬ距離から
抜け出した僕と僕
足をまた上げた君と君
あの日とよく似た寒さと並木道
あの日と違う背中と足跡
変わった距離は二人の足跡の間
前より少し近づいた
いたちごっこの途中で
終わりを迎えた
最後の一歩は
君からの
精一杯の心で
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