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laugh
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作詞 游希 |
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物語の始まりを終わらせる鐘が鳴り響く
まるで悟ったように
ろうそくに灯が点された
命尽きるまで消える事のない灯が点された
この世に生を受けて
最期の時まで揺れつづける
影を落として生きている人間を『馬鹿な生き物』だなんて笑ってみた
そこに笑われた自分がいた
迷子の相手をしすぎてしまった
誰かに相手をして欲しかった
夢で見たような
雨を降らせる涙
愛から逃げて
逃げ込んだ先に狼が一匹
光った目を見開いて
口が裂けるほど笑っていた
灯の無い部屋にろうそくが一つ
今にも消えかけている
火種のない事を疑った
見つからないまま消えてしまった
夕焼けを見たくなって
窓を開けてみたけど
外が眩しすぎた
消えたろうそくに灯を着けようとマッチに手を伸ばす
明かりが消えた部屋にこだました
『この世に終わりが来ればいい』
それは魔法のようだった
救われた気がした
眩しいはずの外が影に染まった
まるで自分が二人いるような
遠い記憶の片隅に
本当の笑い方がしまってあった
今はどこにも見当たらない
過去のような
狼を食べた
味は忘れてしまったが
泣いていた
机にうなだれた彼をそっと抱き上げた
その時涙が赤に染まった
消えたろうそくに再び灯が点った
また揺れ出した灯を見つめ
影を落とした夕日の裏に
叫び歌った
読みかけの物語を破いてみた
『生き方なんて死ぬとき知るんだ』
胸張って笑ってみた
同じ様に笑う誰かを見つめる
逃げ込んだ先に待っていた狼が笑っていたのは
仕舞っていたものに気付いたからだ
それを自分は食べてしまった
待っているものが愛だと知らずに
歩き出したろうそくの
周りは光
影は後からついて来る
仲間もいなかったはずの両手には
取り出したばかりの笑顔があった
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