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月
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作詞 荊 |
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ボロボロの壁に 小さな窓ひとつ
洗濯物はためくのを 横目で見ながら
車検に連れ去られた愛車の代わり
僕は一人バスを待つ
せわしなく行き交う 車と人の群れに
なんとなく感じてる安らぎ
空には月 雲には虹
無関心に通り抜ける風
ああ もうすぐ
時計の針重なり
遠くに君の町へゆくバスが見えるだろう
ああ あのとき
差し出された右手は
今も変わらず僕を 待っていてくれることを
知った
流れてく景色見慣れた町並みが
いつのまにか痛いほどの緑へと変わり
僕はイヤホンからこぼれるギターに
君への思いを馳せる
「生き方が違っても 一緒に笑ってたいね」
強かった君 やせ過ぎた僕
空には星 舞い降りる夜
欠けてもまた満ちていく月
ああ もうすぐ
あのバス停の前で
あの日と同じコート 震えている君がいる
ああ あのとき
差し出せなかった手を
ジーンズのポケットで温めたりなんかして
君に
ああ 何一つ 手に入れられないこと
誰かのせいにしては 傷つけてばかりいたね
ああ いつでも 綺麗なその笑顔に
見透かされてるようで なんだか怖かったんだ きっと
ああ もうすぐ
このバスが止まったら
どんな顔して君に会おうか考えながら
ああ 訪れる
闇に浮かび上がる月
窓の外に見上げて 僕は一人席を立つ
one night
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