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Yの葬列
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作詞 荊 |
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遠く遠く どこまでも続く列
黒い線は 丘の彼方に消え
窓の向こうに 広がる妖しい絵は
僕が旅立つ 十分すぎる理由
ああ 砂に 揺れる 世界
最後尾は 年若い少年で
青白い顔は 布の奥に沈む
「誰が死んだの?」尋ねても声はなく
ただうなだれて 首を横に振るだけ
ああ 空に 月が 昇る
闇を抜けていく葬列は そうなぜかとても懐かしく
はるか銀に輝く棺を追って 歩き出す
いずれも足を休めず声もなく
肩をすり抜け 再び問いかける
「誰が死んだの?」女は虚ろに
先を見遣って「知らぬ」と呟く
ああ 夜が 明ける 今日も
闇を朝日が追い立てる中 ついに僕は辿り着き
触れた銀に輝く棺の窓を 開き息を呑む
白い光に照らされ眠る「僕」を 見つめるのは誰?
熱が急激に奪われて 列は消え失せた
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