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酸欠金魚
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作詞 荊 |
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そうあれは 蒸し暑い夏の夜のこと
見上げた灯りが照らす影
誰でもいい 今あたしを ここからすくって
祈りは確かに聞き届けられたのです
ああやがて 季節は巡り冬の日
ガラスの向こうに彼女はいない
視界をミドリが奪い 鉛の体は
同じものだらけの広い世界から
抜け出せても幸せじゃないの?
どこにいても酸素が足りない
ここもあたしの居場所ではない
いつまでも満たされることない
ねえ誰か あたしはここにいるよ
きっと出会える あたしのお城は見つかる
この狭い器の向こうに
まだ知らない何かを夢見て眠りに堕ちる
目が醒めたら 前より広いおうちと
新しい黒いトモダチ
ここがあたしの望んだ場所なのね
繰り返しの安寧 隣で
今日も自由を呟く
彼が何を求めているのか
まだ あたしは気づけず
日々のえさとベッドに満ちたり
願うことを忘れて
ある日の朝 黒いトモダチは
横たわり浮かんでいたの
同じものだらけの広い世界から
抜け出せても幸せじゃないの?
欲しいものは手にいれたはずなのに
のどの渇きは癒せないまま
遠ざかる水面だけをただ目指した
どこにいても酸素が足りない
ここもあたしの居場所ではない
いつになればたどり着けるだろう
いつまでも満たされることない
どこにいても酸素が足りない
ねえ誰か今すぐにラクにして
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