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三角コーン
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作詞 ものほ |
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道端の赤い三角コーン
一体何を立入禁止にしていたのか
構わず土足で「おじゃまします」
家主が急いでお茶を用意するんだ
「いらっしゃい」 暗い顔で
「何用で?」 怯えながら
どうやら 歓迎されていないようだ
「用など とくにないんですよ
ただ あなたに会いに来た
体調はいかがですか?」
道端の青い三角コーン
色が変わったって存在は変わらないから
構わず土足で 「また来ましたよ」
家主が慌てて部屋を片付けるんだ
「呼んでないよ」 怒った顔で
「何用で?」 ため息を吐きながら
またもや 歓迎されていないようだ
「用など とくにないんですよ
とっくに知っていらしたでしょう?
心の調子はいかがですか?」
「立入禁止にしたのは 嘘つきなあなたです
なぜ わからないのでしょうか
あなたさえいなければ
体調など もう 完治しているはずだった
心の穴など 塞がっているはずだった
土足であがるんじゃないよ!」
響く声 落ちる雫
狭くて汚い 部屋の中で
口に 目に 耳に
全てに鍵をかけたあなたに
「用など とくにないのに
あなたを訪ねたのは
嘘つきな私を受け入れてほしかったのです
私を含めて あなただと
あなた自身だと
とっくに知っていらしたでしょう
体調は いかがですか」
道端の赤い三角コーン
家主がそっと 隅によせた
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