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置き去りの傘
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作詞 ログハウス |
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夏の終わりが来て 向日葵が枯れていく
蝉は鳴くのをやめて やけに静かな雨が降り出す
肌寒い空気が 心にまで迫る
いつになく寂しいのは
想い出に温もりを頼れないから
置き去りの傘が泣いている
誇らしげな姿で
誰かを守っていた
果たして恨んでいるだろうか
怒りにも似た想いを
優しさに似た想いを
この胸に疼く切なさを
多分 愛と呼ぶんだろう
諦めが悪そうに 夏はぶり返した
残り日の咆哮のように 蝉達が騒ぎ始める
肌を包むような あの日の火照り 汗
永遠が欲しくなった
あらゆるものに終わりがあるというのに
代わりなどない存在でいたかった
降り注ぐ雨から
守り続けたかった
あの傘は涙さえ乾いて
持ち主はとうに
一枚のコインで
赤色のお洒落な新しい
傘を手に次の街へ
やがて誰もが忘れていく
誰もいない世界
誰もいない場所
置き去りの傘は気付くんだ
幾つもの虹を
幾つもの星空を
自らの羽で覆い尽くしていたことを
別れの言葉は要らないんだ
与えるためや
与えられるためじゃない
もう孤独でも歩き出せんだ
いつか誰かの
何かを奪うんじゃなく
透明な愛の翼で
晴れ空に共に行くイメージで
この傘を畳んだ後も
はぐれずに手を繋いで
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