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空き缶の歌
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作詞 ちく兵衛 |
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涙 乾かせようと
立ち寄った近所の公園
薄暗い空色を微かに照らす灯り
遠くにテールランプが見える
傍のベンチに腰掛け
振り返る今日の出来事
溢れ出す孤独感 握り締めてた拳
「僕は居ないほうがいい」
不意にカランと渇いた音 振り向けば
空き缶が風に流されてる
3月上旬のこの時間帯は
まだだいぶ寒くて手が赤くなってる
可哀想だな お前もとうとう
抜け殻になってしまったんだな
風に身を任せ へこんだ体で
自分の居場所探してるなら
諦めなよ お前の力じゃ
何処へも行けない
弱い心のまま残酷な世界で生きてく
自信などまるでない
あるのは中身のない
僕という名の“抜け殻”
花時計の文字盤も見えなくなって
もう別世界となったのに
こんなに涙が 溢れてくるのは
風の音がすすり泣きに聞こえるから
やっぱ寒いな お前もそうだろ
元々温かい身だったなら
よほど凍みるだろ それでもお前は
尚も居場所を探すのか
カランと響く鳴き声が僕に
向けられてる気がした
可哀想だな お前を拾い
缶専用のカゴに入れた
どこか遠くでクラクションの音
夜は広がり街を染めた
狭い歩幅で踏み出す足見つめ
家へと向かう
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