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自己救済
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作詞 パパヤん |
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何もないけどそれでいい。 鼻歌歌う時に少し綺麗な声がでればそれでいい。
夢と思い出と、それから目の前に広がる景色。
どれが現実だか区別するのは難しいけれど。
つかんだはずの光は手の中にないし、突き抜けるはずの壁には衝突するし。
少しの善悪と小さな居場所、ケチつける余地なんかないはずなのに。
嗚呼、目の前には見慣れた時間の流れ。
すること、言うこと、成すことだいたい初めから決められている現実。
これまで何億もの命を飲んでおいて、
崇めど拝めど万物の事象に超然と関与しないと言う。
好きも嫌いもなさそうに見えて、何時だって残酷に人を生かす。
そんなだからあなたを可愛く描いてくれる絵描きはいない。
頂きますはちゃんと言ったのかい?
そんな風に捨てられた人のために歌を作るよ
材料なら至るとこに落ちているの。
ただあの時の二の舞はごめんだからあまり綺麗なものは見つけないように。
生き物の気配を感じたら即刻その場を離れるように。
ほら、蹴った石が死なないでいてくれる。
その上を踏み進んだのに、その存在に気付かなかった君。
そんな思い出せないものの記憶なら持っていてもいいかもしれない。
笑えないまでも、少しは怒りを鎮めてくれるだろう?
小さな愛しみ。また音もなく崩れたとしても誰も被害に遭わないように。
いくら睨んだって世界の眩しさは変わらない。ならこの微かな視力は夢見るために。
干上がった広い湖の真ん中の、小さな四角い白い箱。
そこに閉じこもって僕はまた・・・。ほら人は目を瞑るのが好きだから。
いつの日だったか誰かの心をもっと近くで感じている僕。
どんなに魂を揺らしても無傷でいられた奇跡。
僅かな感じ方の違いを区別して綺麗に整えて並べていった。
ならもう何もないから、何もいらない。
ただあの日壊れた僕のカケラが綺麗になくなるまで待っていよう。
いつの日か身体の深いとこまで綺麗になって、
あの子鳥たちみたいに透明に口笛をふくからさ。
心は浅いわりにどこまでも広い。
汚れても怪我をしても詰まっても、ただひたすらに波打つ。
だから思いは際限なく蒸発を続け、より潤いたくて遠くに来て迷う。
そしてやっと帰ってきたときには白い箱には得体の知れない魔物が潜んでいるオチ。
逃げ出したいともがく記憶ほど重たい鎖で繋がれる。心臓や呼吸器官に直接繋ぐ。
夜空が傷を癒すから、草木が安らぎで包むから、涙が潤いを与えるからと。
話が違うじゃないか、この思いが僕を癒していた。潤していた。憩うていた。
幸せの基準なら最下位に置いて、そんなに広い世界じゃ生きたくないし、
平和だけ望めればそれでいいと思っていたのに。
どこかがやりきれなくて手を伸ばす。
確かな愛をもう一度、大きく揺らすにはどうしたらいい?
微かに笑って、聞かない誰かに愛の歌を。
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