|
|
|
Traphan-star's Heaven
|
作詞 水影つばき |
|
世界の果てに在りし
悲劇と幻想の書架
紡ぎ手は漆黒の少女
光を宿さぬ双眸に
波立たぬ瑠璃の水面(みなも)が映る
十と零の
物語を収める
其の場所に今
彼女は存在せず
君臨せしは白銀の少女
『今語ろうか彼女の問いを』…
現代この国にて
世を風靡する空想散文(オハナシ)
一般概念蔓延るは
普遍と陳腐を連鎖して
虚構物語(オトギバナシ)の腐敗を進める
――『だからなのか?』
歴史を撃ち破った
恋愛小説(こいものがたり)
愛欲剥き出す咏(うた)
『生得的反応形式は
概念的思考置き去りか』…
人間(ひと)は性愛に焦がれ過ぎた
精神面(こころ)が貴ばれた歴史は
とうに灰塵成し散ったのか
『恋することは
そんなに大切ですか
繋がることが
そんなに嬉しいですか
わたしには分かりません
恋心を
葬られたわたしには』
世界の果てに在りし
悲劇と幻想の書架
紡ぎ手は漆黒の少女
光を宿さぬ双眸に
波立たぬ瑠璃の水面(みなも)が映る
十と零の
物語を収める
其の場所に今
彼女は存在せず
君臨せしは白銀の少女
『今騙ろうか彼女の意図を』…
間違った自尊心
己を高きに上げる
憧憬(どうけい)抱(いだ)かせようとして
空回る外観美意識
不透明な蜜に蝶は惑う
――『なのに何故か?』
真実(ほんと)は心こそが
欲しいなどと言う
『所詮は上辺だけの
淫靡な香りで高貴な蝶が
掴める訳が無いと云うのに』…
人間(ひと)は恋愛に焦がれ過ぎた
個人(ひとり)が尊ばれた歴史は
とうに時代の果てへ潰(き)えたか
『愛することは
そんなに大切ですか
妄想(ゆめみ)ることが
そんなに楽しいですか
わたしには分かりません
恋心を
葬られたわたしには
恋愛事は
そんなに大切ですか
戯れ事が
そんなに大切ですか
わたしには解りません
この腐った
現代人の世界は』
『恋することは
そんなに大切ですか
愛することが
そんなに大切ですか
わたしには分かりません
この心を
葬られたわたしには』…
|
|
|