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雪降る空と歌詞カード
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作詞 卓弥 |
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「置いてきぼりの~」ふと目を落とした言葉が刺さった
今は残された名残りと僕の白い吐息だけがリアルに感じる
この時間は本当にあの日から
続いてる時間なのかな
覚えといてって言ったから
絶対忘れないようにさ 走り書きで隅っこの方に
日付けを書いておいたよ
それだけ楽しみだったから
君が居る事自体が
曇った冬の空から 冷たい物が降って来た
待ち侘びた白じゃないけど 今は痛くて
一雫 手に持ってる 歌詞カードに落ちた
走り書いた"今日"じゃなく 別の場所が滲む
SNS越しに何度も 問い掛ける言葉に
返事が無い
焦がれた時は 余計焦るから 仕方ないよね
後の祭り 自分の失敗に言い訳をして無理矢理苦笑い
大切に想えた人ほど側から
離れていく様な気がして
覚えといてって言ったから
絶対忘れないようにさ 忘れっぽい僕だから
しっかり書いておいたよ
それだけ楽しみだったから
君に会える事自体が
銀色の空が黒くなり 街に明かりが灯ると
誰もが待ち侘びた 雪が舞い降りた
大切に持っていた 歌詞カードに冷たく
冬を彩る白が 心を冷ましてゆく
諦めの感情がよぎる 静かに歩き出したけど...
絡まったままの迷いが 胸を締め付けるよ
もう繋がらない もう一度声を聞きたいのに
残された時間はどうすればいいの?
君と居る筈だった この夜を...
街はすでに聖夜一色 包装紙を抱えて
輝き出すイルミと 同時に終わりを告げたんだ
僕が居ない所で 幸せに笑っていたんだ...
君の近況一言 「タノシソウニ ワラッテイル」みたいだ
曇った冬の空から 冷たい雪が降って来ても
待ち侘びてなんていないから 今は冷たいだけ
幾つもの白いそれが 歌詞カードを彩る様に
皮肉にもいつまでも その記しを目立たせる
僕の凍えた呼び掛けは 君の元へもう届かない
「置いてきぼりの~」僕は空を見る 降り始めた季節達を
消せないフレーズを 口ずさみながら...
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