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月の喪失
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作詞 卓弥 |
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無情にも覚めた―――――――
いつの間にか意識が戻る
長い間 眠ってた 筈なのに
腕伸ばし 開けたカーテンの向こう側
ささぐ陽の光も無く 暗闇が映えるまま
無数の星の下では 無数の人間が
何かを求め歩いている
時に愛を求め
時に地位を求め
満たしたくて物を並べ
充たすために身体重ねる
*「愛、仮初のそれは酷く
卑怯に勝ち取った名誉は醜い
奪い取る物欲は卑猥で
徒に重ねた愛は、快楽の偽りに消える」
人の所業に 今宵も月は嘆く
夢見心地 観てた 夜空と夜景に
窓辺から 差し込む 月明かりの神秘
天然自然の 天は地を 蔑んでいるかい?
今夜もまた 眠らない外套が笑う
狂おしい闇に飲まれ 意識を虚無に委ねた
いつの間にか着いていた
どれくらいか 眠ってた バスの中
手を伸ばし 開けたカーテンの向こう側
ささぐ陽の下で輝く 辺り一面の芝生
幾千と考えただろうか 心弱い自分で
再会の日を想ってた
ただ君を求め
ただ温もりのため
利己的な感情の為
欲しがっていた僕を殺して
*「愛、君への気持ちなんだ
二人で分かち合いたかった物の一つ
でもそれが勝手な欲だとしたら
愚かに愛情掲げた、卑屈な僕は消える」
この草原では 見えない人に会える
夢見心地 会えた 再会の花園で
この世の淘汰に 犯されて消えた悲運な人
純白可憐な この場所は 君と重なって見えるよ
今夜もまた 眠れない夜がくるんだね・・・
全部忘れて 死んでしまいたい ここで
人間の不条理に 失望を覚えてからさ
こんな僕を作ったのも 憎むべきこの国
君の為に 生きられるか知りたい
腕を伸ばして 開けた扉の向こうで
死神でもいい 僕を迎えに来て
もう少し 我が儘 言えるとしたら・・・
他でもない 君がいてほしい
無数の星を 見てた 暗がりの丘で
求めたのは 消えた月との 再会
天然自然の 月は僕を 哀れんでくれるかい?
今夜こそは 眠らない僕は昇る・・・
*「僕は死んだ。
これは誰の喪失でもない
敢えて言うなら、22年間を生きたこの星と
一年程僕を見守っていた君という月の
大きくも小さな、喪失。」
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