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人間賛美歌
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作詞 lough |
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天国も地獄もなくなって
神様も悪魔も死んでしまって
そこにいるのは誰だ
ああ 僕だ
ページを繰ったら死んでいました
それが誰かの人生で
しかしまだページの向うにまだ彼はいて
物語にもう彼はいない
閉じ目の辺りから出てきた虫を
僕のオヤユビがついでにつぶしました
印刷じゃないしみがかすかに残って
その瞬間が生だ そのものだ
その瞬間が死だ そのものだ
そしていくつかのエピソード
レールは続く 霞の中を
うやむやな視界 ただ進むのみ
真実は一つだと漫画が言いました
それは狭い世界で
何がどこで一つなんだろう
曖昧の向うで彼女が見えた
ロールプレイはもうお終いなんです
空想がぐちゃぐちゃになっていく
それでもまた彼女 笑う
それでまた僕も 笑う
しらばっくれる迷走狂
レールは続く 霞の中を
うやむやな視界 ただ進むのみ
そうさ
小学館の伝記に出てくるような偉人はどこにもいなかった
漫画に出てくるようなヒーローはどこにもいなかった
そこには人間がいただけだ
誰かのユメのインクがあたりに飛び散る
メルヘン半分にひとは生きていく
強くはないから やさしくだってなれる
居場所不明に気づいた僕は
いつだって生々しい人間に会う
嘘っぱちはいつだってやさしいのだ
どこかの黒人が言った
全てに手は届かないから夢を見る
狂っているのは誰でもないよ
ここは曖昧な色の中だ
そして僕はその中に浮かんでいる
ひとは尊厳で溶け残ってしまう
迷える子羊 メェー
迷える子羊 メェー
悩ましい信号機が光る
釈迦もイエスもたどり着かなかった
だから僕はここに生きてる
神様さえ生み出すようなこの世界で
同じように生まれて 僕は生きてる
疑問符にまみれて 息をする
聖書の外で天の声を聞くことはできませんでした
坊さんのお経の意味はわかりませんでした
そこには人間がいただけだ
ひとはだから夢を淹れ続ける
メルヘン半分にひとは生きていく
強くはないから 強くだってなれる
着の身着のままの僕がいて
曖昧な視界 世界は広がっていく
天国と地獄を思い出して
神様と悪魔を創り直して
ここにいるのは 僕だ
そうだ 僕だ
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