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そして、変わったモノ。
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作詞 Light・Color・A・Epoch |
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あなたと私は主従の関係。
離れすぎてはいけないし、近づきすぎてもいけない。
一定の距離を、保たなくては...
なのにあなたは、その距離を壊そうとする。
私の手を取り、共に歩こうとする。
―――いけません。
私の様な者があなたの隣を歩くなど、許されるはずがないのです。
だって私は...醜い、みにくい禁忌の子。
親にまで見捨てられた異端の子。
―――許されるはずがないのです。
だけど私は臆病だから...それでも仲間が欲しかった。
だから初めて優しさを与えてくれた...あなたの傍に、いたいと思った。
人の皮を身に纏い、自分の姿を偽っても...それでもあなたに逢いたかった。
それでも...そばにいたかった。
だから、このままでいい。
このままで、この距離を保ったままで...壊してしまいたくは無い。
だって、近づきすぎてしまったら...
私の事を知ったなら...きっとあなたは、離れていく。
それが何より怖くて。
そう...死ぬよりも怖い。
―――だから、距離を保ちたい。
だけど、それでもあなたは...
嘘を隠すこの私を、受け入れたいと抱き締めた。
優しく背中を撫でられて、大丈夫だと揺すられて...私の総てを受けとめる。
今の私は、愚かかもしれない。
あなたが私を受け入れるなんて...そんなことに、自信はない。
それでも...信じたいと、初めて思った。
幸せになりたいと、初めて願った。
そんな願いすら許されず、生きてきたこの私。
―――今更...幸せに触れても良いのでしょうか?
その答えが知りたくて、歯止めが効かなくなった。
―――告げてしまった。
『私は不幸そのものなんだ』と...
『不幸の塊であり、存在すら否定されて...今まで生きてきた』と...
『だから自分の周りに不幸が移りはしないか...
いつも不安で、満たされているのだ』と...
言葉にしてしまえば、案外...軽いものだった。
―――もう、引き返せはしない。
私を知ったあなたの言葉は...ありきたりかもしれない言葉。
けれどそれは、私の救いの一言。
私はこれを、待っていたんだ。
『それでもあなたはあなただから...
私には、あなたしかいないから...』
体が、熱い。
胸が...否、本当に熱かったのは心。
本当はもっと前から、熱かったのかもしれない。
だって、
好きになるのは一瞬で、
想い始めたらとても永くて、
好きになるのは簡単でも、
伝えるのは難しいから...
だけど、その先にある何かに向かい...誰しもが歩いていく。
見えない未来が幸せであるようにと、祈りながら...
あなたと私は主従の関係。
離れすぎてはいけないし、近づきすぎてもいけない。
一定の距離を、保たなくては...ならなかった。
だけど今日からは...
あなたを抱き締められる距離にいよう。
あなたを守る場所に立とう。
だって、これからは、ずっと......あなたと私は恋人の関係。
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