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三味線カラーズ
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作詞 紗散 画宮 |
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春と夏の狭間
照りつける太陽と
去るように吹き抜ける風
以上が私に色を運んで
周りのみんなが今日もね
「ねぇ、まだなの?」と急かすから
私は縁側でいつも通りの
世界を唄う
いわゆる ヨクアルハナシ で
名家生まれの私の
この両の目に見えるのは
良くも悪くも色だけでした
目と喉の問題で
二階の無い とても大きい
祖父の屋敷の一室が
私の居場所なのです
5つの頃
祖父が聞かせてくれた
三味線の音が
綺麗な色だったので
「教えて欲しい」と
せがんだ私が
聞いた笑い声は
またまた優しい色でした
手を踊らせる
心に溢れていく
今まで知らない
世界を知る
目の前の祖父も 私の声も
切り離されてしまってるけど
こうして見える 世界(いろ)の中で
私が唄ってる
生きている
とはいえ弦楽器とは
妙に複雑な構造で
目の前が見えない私の
手探りの日々は続きます
縁側にちょんと腰をかけ
撥を弾いた私の
隣から声が聞こえました
9つの雨の日のことでした
話を聞くと
どうやら私の音を
気に入ってくれた少女は
ヒトではないようです
アンコールの
まばらな拍手が
持つ 期待の赤に
私の心も揺れました
手を踊らせる
感情が溢れ出す
また私は新しい
世界を見る
たどたどしくも 奏でた色は
見たこともない太陽を
連想させて 嬉しくて
涙が止まらないの
この広い
世界の一片に生まれ
私は狭い
世界を与えられた
でもこんな素晴らしい
世界を作り出せる
こんな素晴らしい
世界(いろ)を共感しあえる
手を踊らせる
感情が響いていく
少しずつ増えていく
みんなのもとへ
明日は確か例のあの子も
午後から来るはずですので
天気予報でも
チェックしておこうかな
歌を唄う 謡い謳う
心に溢れていく
誰も知らない
世界(いろ)を作っていく
目の前のみんなも 声も
切り離されてしまってるけど
確かに私 感じられたの
今 ここで生きている
生きている
私はここで 唄っている
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