|
|
|
World
|
作詞 傑木 |
|
平和な時に浸りすぎて 暇を覚えた犬があくびを一つ
そのころ世界の裏側では戦争が起きていた
泥に汚れたパンをかじり 土の混じった水をすすりながら
少年が銃を磨いてる ただ生きていくために
戦闘機の飛ぶ空を見上げると まるで雪のように爆弾が落ちてくる
そのとき北の国では 男が家の屋根の雪下ろしをしていた
息をすれば肺が凍ってしまうような極寒の中
彼は晴れ渡る空 温かい太陽の笑顔を恋しく思っていた
本当にそんなものが存在するのか疑いながら
それでも南の国では常しえの快晴楽園模様
そこに住む人たちは 一度でいいから雪を見てみたいと願う
海の底では闇の中 誰かの気持ちを知るはずもなく
山の上では風の中 誰かの言葉が届くこともなく
大地の上では人が近すぎたばかりに傷つけあっている
やがて世界が一回転して 朝と夜が入れかわる
朝の世界では忙しく人は行き交って 心休まる夜を想い
夜の世界では寂しく人はむせび泣き 心高鳴る朝を想った
砂漠の上で水に飢えながら 緑の温かさを求める人が涙を流した時
森に囲まれた国では木を切り売り払い笑みが溢れる
海が近いこの小高い丘では 潮風が吹き抜ける
世界の果てが見渡せるこの場所で
地平線の向こうにあるまだ見ぬ大地に心を馳せる
山に囲まれた小さな村では女の子が空を見上げていた
そして雲がどこへ流れていくのか その行き先を想った
やがてその雲は呆けた顔の犬が見上げる空に辿り着く
犬はそんなことに気づくわけもなく
いつもどおり空を見ていた あくびをしながら空を見ていた
それはいつも同じ空
僕らが生きている世界も いつも同じ世界
そういつも同じ世界
いつも おなじ せかい
|
|
|