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花火
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作詞 ヒナノ |
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金色の光がおちて 闇夜に続く提灯
それだけの明かりだけど 何故か心が落ち着く
貴方と来たあの夏の夜と変わらぬ場所
喩え今日が最後の この地にいる夜でも
あの日と同じ刻に 独りで花火を見上げたら
見えたのはちっぽけでどこにでもある花
あの頃は色鮮やかで 手が届くと信じてた・・・
幾ら年を重ねたって いつもここは同じで
私をあの頃へ連れて行ってくれると想ってた
・・・だけど本当はわかってた、もう戻れない。
季節が過ぎて私がここを離れて 忘れたとしても
あの時に見た花火と この夏の夜を覚えてて・・・
二人一緒にはいられない・・・分かっていたことだけど
独りで来るこの場所が こんな風だと知りたくなかったよ
屋台の金魚掬いに 並んでいく貴方
自分より幼い子に順番を渡すの見ていたよ
持ったポイの輪から 苦笑いの貴方の顔が見える
知ってるよ 貴方が魚を傷つけぬよう 掬おうとしていたこと
苦労して掬ったオレンジの小さな魚はたった一匹だけなのに・・・
笑顔で照れながら私に差し出す
それが私にとってどれだけ嬉しくて
どれだけ泣きそうなのか きっと知らないでしょう
・・・そして気がついた。貴方と私は違いすぎる
私とはつりあわない 貴方は優しすぎる・・・
貴方といるときっと私は貴方に甘えてしまうだろう
貴方を駄目にしてしまう前に私から身を引こうと
決めたあの日の夜・・・
貴方が違う他人と 契りを結ぶとしても 私を忘れていい
だけどあの夜に私にくれたあの金魚を覚えてて
過ぎ去っていく年月は私を残してくれない
流れに抗って生きてみたりもした
でも後悔はしてないの
それが必要だったんだ
貴方と過ごした夜は あの日の私のもので
手を伸ばしても 届かない
まるであの日の花火
手を伸ばしても 届かない・・・
まるであの夜の花火
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