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不公平
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作詞 メイ |
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世界はいつだって不公平
たってあの子は頭が良い
だってあの子は人気者
そっちではもう食べられないと捨てられる食材
こっちでは空腹で息絶える子供たち
何が正しいの?
生まれてきた時はおんなじで
みんな公平なんて言うけど
そんなの真っ赤なウソだ
生まれた場所も
生まれた環境も
生まれ持った性格も
性質も考え方も
出来ることも
出来ないことも
みんな違うじゃないか
そうやって嘆いていたある日
頭も良くて美人で人気者のあの子が絵を描いていた
『提出するまで帰れません』
描いては消し
描いては消し
日は西に傾いていた
描いては消し
一生懸命真っ白な画用紙を色んな色に染めた
みんなが帰ったころ
色とりどりに染まった画用紙を提出した
次の日
なにを描いたのかわからないその絵を
だれかが馬鹿にした
みんな笑った
その子は泣いた
ひときわ目立つ絵が一枚あった
クラスでいじめられている子の絵だった
大賞をとった
その子が笑った日だった
次の授業中
人気者の女の子はスポーツが得意で
みんなの輪の中心にいた
いじめられている子はそれを隅のほうに座って
眺めているだけだった
いじめられている子は
女の子の笑う姿を画用紙いっぱいに描いた
その絵は優秀賞に選ばれた
彼は将来有名な絵描きになった
となりには気だての良い奥さんがいた
運動神経は相変わらず良い
彼女は普通のどこにでもいるお母さんになった
二人は幸せそうに笑っていた
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