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落とし穴の日
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作詞 tank |
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見てくれなくても
離れてくとしても
苦しいことがあるなら
減らしてあげたいって
思った
必要としてくれなくても
邪魔じゃなければ
居てもいいかなあって
そう 思っただけ
安っぽい心拍に
収まりきらない気持ち
醒めた夢は いつも
肌色に溶けて
行方も知れないけど
今 ここには
確かに存在する
大切、という感情
たとえば
私じゃない、誰かの方が
望まれていたって
仕方ない
そのほうがいい
だって きっとね
あとすこしで
裏切りの言葉で
今までの時間を
空にしてしまうから
傘は受け取らなくていいんだ
冷たくつま先を濡らす 悲しみ
誰かの体温にあたって
かじかんだ手を癒すのだろう
ゆるやかな時間の中
そのうちに忘れていくんだろう
背骨の芯まで凍る 寒さと
邪険にしてた犬に逃げられたような
左右逆に履いたサンダルで立ち尽くしたような
落とし穴みたいな日を
傾いてるのは
机じゃなく 床の方なの
転がるビーズは
あか おれんじ
きいろ みどり
弾んで
ぶつかって そして
足元から 空気の呼ぶ方へ
跳ねていく
重力に負けたのは
空へ飛んでく風船と
叩きつけられた体
息を吐く 束の間
天使が現れ
居場所も 隠れ家も
密かに 奪っていく
違う そうじゃないと 何度も
繰り返し言い訳をした、途中で
見えない外壁に当たって
それ以上 聞こえなかった
かろやかに降り注いだ
春の日差しは 残酷なまでに
未来へと 導いていく
いつか 分岐点に差しかかる頃
私がつけた ほんの小さな傷は
塞がっていて もう
何にも思わないでいて
湧き上がる光の粒を
いろとりどりの
その欠片を
胸の奥に押し込めて
両手で抑えた
隙間から溢れてくるのは
目を閉じても わかる
悲しみの あお
失くしてしまってもさ いいんだ
進めなくなるくらいなら
絡まった釣り糸が 深く喰い込む
もがくこともしないで 飼われても
痛みは消えないことを
そのうちに 気付いてしまった
だから 逃げ出そうって決めた
影踏みする午後 背を向ける間
声にならないように ずっと
ごめんなさい、と 唱えてた
違う、そうじゃない… なんて
違わない 嘘じゃない
こぼれた拍子に砕かれる気がして
それ以上 何も言えなかった
あざやかに変わる心
それが怖くて 人が怖くて
でも 信じてしまった
それは 過ちでは無かったんだと
思いたいから
本当のことを隠した
誰も真相を知らない、落とし穴の日
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