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蒼の季節
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作詞 葉 |
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水彩に筆を落としたような 雲と
透明に緑を抜けていく 風を
サイレンに耳を傾けていく 熱と
季節に心を落としていく 虫を
そんな蒼に溶け込んでゆく 街と
蜃気楼に浮かんでいるような 体
波紋のようににじんでいく 声と
ぽたりと土にしみこんで行く 雫
波風に預けた 掌の温もりは
太陽にそっくり 遠くで溶けた
呼吸の数だけ 噎せ返る暑さと 喉の苦さを
傍に寄り添った 向日葵の参列は 天を仰ぐ
君に預けていた 零れてしまう程の 体温は
夕に溶けて 夜に灯り 朝に孵る
この季節に
昇るほど色濃くなっていく 空を
子供のように駆け抜けてる 太陽
影踏み肩を竦め歩いている 僕と
風鈴の音のような瞬きを 君と
廃車場で交わした 言葉の温もりは
灯篭のように 川下に消えた
呼吸をしたいだけ 白く鮮明な 皮膚の在り処を
傍にいたいだけ 蝉時雨の讃歌は 影に堕ちる
預けてしまった 溢れかえる程の 約束は
宵に溶けて 凪に灯り 蒼に還る
この季節に
蒼の季節に
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