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夏色「ノスタルジア」
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作詞 葉 |
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汗かきラムネを片手に持って
学校裏の階段を上っていく
蝉時雨の歌を聴きながら
向日葵は天を仰いでいた
麦藁帽子を首に掛けて
虫取り網を抱えて走る
一所懸命に追い駆けながら
一生懸命 笑っていた
宝物なんて持っていなかったんだろう
それでも毎日が楽しかったんだよ
籠に入った虫達の様に
一週間の命の様に
一生懸命 鳴いていた あの日
手が届かない空ひとつ そんな素敵な 夢の欠片
蒼は光に揺れながら 記憶に焼きつく ノスタルジア
細(ささ)やかに 華やかに 寂しいと 笑っている
穏やかに 高らかに 楽しいと 泣いている
冷たいカルピスを隣に置いて
夏休みの絵日記を綴っていく
風鈴の風唄を聴きながら
惜しむ様に思い出していた
仄かな夜風に体を預けて
指先の灯りを見詰めていた
浮かんで消える光の重さを
壊さない様に 触れていた
大切なんて分かってはいなかっただろう
それでも毎日を大切にしてたんだよ
夜空に舞う虫達の様に
指先程の命の様に
一生懸命 輝いた あの日
手が届かない数多の星 そんな素敵な 日々の欠片
草木は風に揺れながら 通り抜けていく ノスタルジア
儚げに 空しげに 颯爽と 響いている
楽しげに 寂しげに 清爽と 歌っている
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