|
|
|
消えた指輪
|
作詞 雪の中のアリス |
|
そこにいるのに
触れることができるのに
どうしてなんだろう
あなたの一番近くで笑う
その権利をもたない、私
あなたは私に言う
君といると癒される、と
私は静かに笑う
それ以上何も言葉が出てこない
もしあなたが
笑ってくれるのならば
私は夜空が白くなるまで
携帯電話を耳に当てる
だって今だけは
電話の向こう
その手に光る指輪は見えないから
そこにいるのに
触れることができるのに
どうしてなんだろう
あなたのそのぬくもりは
写真で見た誰かのもの
あなたは私を引き寄せて
もう少しだけ、そう呟く
私は腕を回せない
泣いてしまいそうだから
もしあなたが
独り泣いているのなら
私はそっとあなたの
その大きな手を包む
だって今日だけは
その左手に
光るはずの指輪が無かったから
それでもあなたを奪うこと
それだけができないのは
私と同じ想いを抱えた
誰かが独り
きっと泣いているだろうから
もしあなたが
もう嫌だとその指輪を捨てたなら
私は笑うことができるだろうか
きっとできないだろう
その向こうで泣く
自分と同じ女の子の姿が
嫌でも見えてきてしまうから
あなたに触れられた
この左手が、痛いくらいに
冷えてゆく
|
|
|