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春時雨
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作詞 伊都 |
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降り続いた雨がやっと止んで
「ああそうか、やっと僕はここまで来たんだ」と
ため息をつきながら呟いた
どこまで進めばいいのかなんてわからなかったけど
唯一つ分かったのは
目指すべき場所はまだ遠いこと
立ち止っている暇なんてないこと
君を抱きしめようとして
抱きしめるものなど僕にないことに気付いた
伸ばしかけた手はどこにも行くことができなかった
鳴り続けていた携帯が止まって
静かになった携帯を見ながら
もう戻ることなどできないと知った
君はどこに居るのかなんてわからなかったけど
なぜだか不意に笑いたくなった
いつになったらたどり着けるかな
どんな場所にたどり着けるかな
大切なものを守ろうとして
大切なものはもう壊れてしまったことに気付いた
守りたいものなど、もうどこにもなかった
帰る場所など、見つからなかった
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