|
|
|
お江戸落ち語り「親父と時間」
|
作詞 ヤドン |
|
1日って何時間あったっけ? 俺は18時間あると思ってんだけど
周りのやつらはどいつもこいつも 口をそろえて24時間だとか
言ってるけれども
俺は24時間分の記憶を持ったことはないんだ どういうことだ?
みんなが正しい?するってぇと俺の6時間はどこいった?
なぁせがれよ
バカな親父の禿げ頭をバシッとたたき 呆れ顔したおいらが言うのさ
親父の6時間は睡眠に使ったのさ みんな同じくらい眠りこけてるさ
そしたら親父はこう言った
バカ言うな人間ってぇのは 記憶がないこたぁやっちゃいねぇんだ
スイミンなんてそんなものに時間をを使った記憶はどこにもない
もしやどっかで落としてきたか 警官にでも聞いてこようか
なぁせがれよ
バカな親父の太っ腹をドカッとなぐり 呆れ顔したおいらが言うのさ
親父の6時間はサイフにあるのか それとも懐にしまっているのか
そしたら親父はこう言った
バカ言うなサイフには金しかいれねぇ いれる金すりゃどこにもねぇ
金が無いから働いてるんだ 疲れた後に飲む酒は
かかぁのメシよりずっとうまいもんだよ
あぁそうか 時は金なり 金は時なり 俺の6時間は酒に消えたんだ
あぁよかったよかった めでたしめでたし
しかし酒ってぇのは怖いもんだ 俺の記憶と金を取る
これから酒は控えてみるか そすりゃ遊ぶ金も増えるぞ
なぁせがれよ
バカな親父の体をすっころがして 呆れ顔したおいらが言うのさ
酒よりも怖いものがあるぞ 親父はかかぁを怒らせた
さぁ後ろから怒号が聞こえてくるぞ
「とうちゃん!! あたしのメシより酒がうまいなんてよくも言ってくれたね
ろくに働きもしないくせに酒ばっかり飲みやがって
今日のバンメシは抜きだよ!!」
哀れ親父は酒を飲まずに涙飲んだとさ
|
|
|